ジェフリー・ユージェニデス 『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』 ハヤカワepi文庫
 時は70年代前半、リズボン家の姉妹が次々と自殺し一家が崩壊していく様を、当時彼女たちの友人だった少年が、20年以上のち、膨大な調査記録を踏まえつつ回想するかたちでつづられた小説である。ここに描かれた「10代の物語」は文化、世代を超えた普遍性を持っており、読む人は共感せずにはいられないのではないだろうか。
 また、この作品には70年代のアメリカン・ロック、ポップスがちりばめられており、語り手の少年たちと家の中に幽閉されたリズボン家の姉妹との意思疎通の手段にもなっている。そういった意味で「70年代音楽小説」もしくは「70年代DJ小説」と呼べるものにもなっている。
 そして、70年代前半における、リズボン家の崩壊と、デトロイトの崩壊さらには国家アメリカの崩壊が絶妙に連動しており、リズボン家の姉妹による自殺がその後のアメリカの姿を予見させるものにもなっているのだ。
というようなことが巽孝之氏によるあとがきに書いてある。この人にあとがきを書かれたんじゃ僕が言えることは何もありません。

それにしても、いろいろ(と言っても3,4冊だけど)平行して読んでいると読了日が重なる、もしくは近くなることが多いなあ。

次に何を読もうかまたしても迷う。あんまり「娯楽」なものを読んでる暇もなくて、もっと「実用的」なものを読まなきゃいけないんだけど。にわか勉強でアメリカ史も学ばなくてはならないし。でも、電車の中でそんな本は読めないという意見もあるしなあ。結局昨日買った『こういう男に〜』かなあ。とか書いてたらすでにもうこの本を読み始めていたことに気づいた。しかもトイレのなかで読み始めたんだ(笑)とりあえずこれを読んでしまおう。