沼野充義・評 『「悪霊」神に…』/『「白鯨」アメリカン…』
今週の本棚:沼野充義・評 『「悪霊」神に…』/『「白鯨」アメリカン…』
亀山氏のアプローチが大きなテキストの中の小さな部分に集中する、言わば「求心的」な読みだとすれば、巽氏の方法はそれとは対照的に「遠心的」なもので、『白鯨』のテキストを出発点にしながらも、アメリカン・スタディーズに、さらには現代文明論にと驚くべき広がりを見せるので、読んでいるうちにめまいを覚えるほどだ。
『悪霊』神になりたかった男
亀山 郁夫
みすず書房 2005-06
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『白鯨』アメリカン・スタディーズ
巽 孝之
みすず書房 2005-07-09
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