今年の3点、じゃなくて…

朝日新聞を見て影響されたので、僕も「今年の3点」を考えてみたのだけれど、今年出た本なんてろくに読んでない、というか買ってすらいないので、今年読んだ本ということで考えてみた。しかも3点に絞れなかったので5点ということで。順位はつけません、というかつけられません。
川上弘美 『いとしい』 幻冬舎文庫
町田康 『くっすん大黒』 文春文庫
◆アーサー・ゴールデン 小川高義訳 『さゆり』 文藝春秋
三浦雅士 『村上春樹柴田元幸のもうひとつのアメリカ』 新書館
リチャード・ブローティガン 青木日出夫訳 『愛のゆくえ』 新潮文庫

簡単にコメントをつけておきますか。川上弘美町田康は以前からずっと読もうと思っていて今年ようやく読めた作家。どちらも良いなと思ったので、他の作品も読んでいきたい。『さゆり』は小川高義の名人芸というかほとんど神業と言ってもよいくらいの翻訳が凄い。京都弁って美しい響きだなあと惚れ惚れしながら読んだ。三浦雅士のこの本はもともと村上春樹が好きで、そこから『翻訳夜話』を経由して柴田元幸が翻訳した作品にはまっていった僕としては読まずにはいられなかった。柴田元幸へのインタビューも読み応えがある。ブローティガンはその流れで読んだ。村上春樹の独特な比喩はブローティガンの影響を受けているということがよくわかった。もちろんブローティガン村上春樹に与えた影響はこれだけじゃないんだけど。